今年もいろいろ

今年は本当に公私ともに激動の一年でした。

私だけでなく世界規模で大変でしたし。

それでも、なんとかかんとか年を越せそうです。
 

我々フレメンにとっても2009という年は
吉凶入り乱れて変化の多い年でした。

凶、といえばもう、景気の低迷につきますが
吉のほうもちゃんとありました。
長寿アシスタントE君の新天地への旅立ち&Jr.の誕生、社長の作家としての飛躍、
新しいアシスタント・イーダ君が入った事・・・

あれ、、、3つくらいでしたか。
 

個人的な吉は、日常的な事ですが
相も変わらず今年も北海道中を走り回れた事、ですね。

今年、特に多かった函館仕事はすでに日帰り往復がデフォルトになりました。
運転そのものが好きなので問題無し。マイカーは今まで3台ともマニュアル車です。
あの、自分で景色を動かしているような感じが性に合ってます。

一人出張なら、好きな音をガンガン鳴らしながら熱唱出来るので
根室だろうが稚内だろうが苦になりません。今年もたくさん歌えました。
 

スタジオワークにおいては不況に喘ぎつつも
私の「コマーシャルフォトグラファー」としての心の支えである
レギュラーのモデル撮影も無事継続出来たし、
デザイナーさんとコラボしての作品制作も出来たし、
各種取材においては、数えきれないほどの人達に会って興味深い話を聞けました。

 

個人作品の創作も、更に考えるべき方向性が見えつつあったり
視点が少し変わってきた事で新たな発見が出てきたり
あと、いろんな意味で欲が出てきたのは自分的に良い収穫でしたね。
人には伝わりにくい所ですが。
 

単なる思いつきで始めた、photo worksの師走毎日更新もやって良かったなと。
*なんで思いついたかは未だにナゾですが…
  

と、まぁ
不況だの温暖化だのに、まんまと踊らされつつも
小さな利益はあったわけです。

こんな時ばかり「時が解決してくれる」のを期待するのは甘いのでしょうが
来年の今頃は、この世界恐慌が少しでも良くなっている事を望まずにはいられません。
 

おぉ〜
珍しく正しい感じの締めになりましたよ。
 

今年も一年、ありがとうございました。
2010も雑草のようにしぶとく生き延びようと思います。
 

皆々さま、良い年をお迎えください。

来年もよろしくお願い申し上げます。


THEかぼちゃの行く末

続・かぼちゃ

先日の「FREMEN」ロゴ入りかぼちゃの末路レポートを。

以下、調理作業の写真4カット&注釈はシェフ・イーダくん自らによるものです。
完成写真のみワタクシ伊藤がお手伝いを。

*…まだひと月の新人ですので、なにとぞ温かい目でご覧頂ければ幸いです。
 

_MG_0039.JPG 
『まず始めに作業をしやすくするため半分にし、皮を剥きました。
 とても皮が固かったので、出刃を使って切りました。
 次に中のわたをスプーンで処理した後、5mmくらいの厚さでスライスをします。』
 

_MG_0042.JPG 
『小玉ねぎを、繊維にそって3mmくらいの厚さでスライスしました。』 

 

_MG_0047.JPG
『バターで、玉ねぎを炒めます。
 しんなりしてきたらカボチャを入れ
 軽く火を入れ塩を少々入れます。』 
 
 
_MG_0050.JPG 
『ひたひた適度の水を入れ、火にかけ
 適量のコンソメを入れます。
 カボチャに串が入るくらい煮ます。』

『その後、
 ミキサーにかけ、適量の牛乳を入れ、まぜ、
 塩、コショウで味をつけました。』
 
    ↓
    ↓
    ↓ …で、そんなこんなありまして…
    ↓
    ↓
 
 
_MG_5113.JPG 
 
はい、どーもー。 かぼちゃのヴィシソワーズですー。 平たく言えばかぼちゃスープですー。
いやいやキレイな色ですねぇ。 
 
送り主であり、生産者でもある元アシE君より「素材の味を生かしてね」とのメッセージを受け
先輩の汗の結晶を形にすべく、新人イーダくんが頑張りました。
 
調理中の写真は、イーダくんが自宅台所で撮ったので…まぁ…色々、アレなんですが
現物のスープの色はきれいな暖かい黄色だったんですよ。
なんで、せめて完成品くらいは…と、スタジオで物撮りのセットを組んで仕上げたわけです。
 

さてお味の方は?
味見係(味には色々うるさ…)の露口いわく『美味しい、80点』との事。
ついでに簡単な撮影のおべんきょもしつつ、だったので
長時間ライトに晒されていた分を加味し、85点くらいと思われます。
 
さすが調理学校卒。 やるじゃないの。
 

う〜ん…なぜ写真の道に…と、謎が深まるばかりのイーダくんではありますが
ちゃんと写真も日々頑張ってるんで、みなさまご安心を。
これからフレメンの一員として更なる進化を遂げてくれる事でしょう。

 


『カイ』出ましたよっと

cover_kai05.jpg 

画像が小さいのは公式から引っ張って来たからで
やる気が無い訳じゃないんですよっと。

見ての通り
風土と建築の特集です。

といっても、イマドキのおしゃれで素敵な建築とは違いますんでご注意を。
あくまで北海道の風土がベースになってます。

今回は古民家フェチのライター小野寺さんと私のルポです。
この撮影のために、厚真町に何度通った事か…
今となっては良い思い出ですが。
 

それにしても大工はカッコいいっす。
短期間で完成してしまう昨今の一般住宅の建築とはがらりと違い、
古い民家の解体〜建築ともなれば、腕のある棟梁の長年の経験と知識が頼り。
 

なにせ、どう作られているのかバラシてみなければ判らないのが古民家。
 
北海道開拓のおり、各地からの入植者たちが
それぞれの故郷の趣きを反映した家造りをしたり
各地から集まった大工達が、自身の国の建築方法を基にあちこちに建てたりと、
「これぞ北海道建築」なんていう都合の良い参考書の無いまま手探りで
古民家の解体、再建築は進行していくのですから。
 

棟梁を筆頭に、ベテラン、若手、新米の大工たちが身体全体で
大きな家と格闘する姿は何度見ても凄い。
豪快なようで、実はとても繊細に仕事をしている事も発見出来た。

ライター0さんといつも
この働く様を、奥さんや彼女さん達に見せてやりたい!
絶対に弁当のグレードがアップするはず!!
と、息巻いて取材しておりました。 
 

あっという間に完成し、かつ耐震耐熱に優れている住宅メーカーの技術も素晴らしいですが
物や便利グッズの無い時代の昔の大工達の仕事に敬意を払いつつ
現代の大工達が悪戦苦闘しながら古民家が再生して行く様は感動モノです。

ホー○ックとかJO○フル△Kとか無いんですからねぇ…
ほんと、昔の大工って凄過ぎる。
 

とはいえ今は21世紀。
宇宙ステーション建設のこのご時世にアナログな道具だけではいつまでも家は建ちません。
もちろん、大きなクレーン車や電動工具だってガンガン使います。
なんたって出来上がった家は、古い家屋のナリを装いながら
ハイテク熱循環方式の快適な空調設備で冬も足元からポカポカになるんですから。

古い物を古いまま残して行くのは、個人レベルでやるのは大変なこと。
重要文化財でも無い限り、住む人間に無理が無く今の生活にあった再生が必要かと。
大工の仕事道具だって同じ事が言えるのではないでしょうか。
  

この取材中に撮った写真が数百枚にものぼり
大工達の「男祭り」写真集が出来そうな勢いだったんですが
残念ながら本誌では十数カットと、大幅に削られています…。
まぁ、本にはページってもんがありますからね。
 

若い大工達のパワー溢れるハンマーさばきは見ていて爽快でした。
熟年棟梁が命綱無しに、高いハリの上をヒョイヒョイと危なげなく歩き回るのも頼もしく思いました。

家も人も、本物はちゃんと昔から今の世代に繋がっているものですね。


十勝より

先日、what’s newにてお知らせしていた
元アシスタントE君より

 
DPP_0005_1.JPG

こんなものが届きました。すげーすげー!

十勝に移住後、彼がこの夏丹精込めて作ったカボチャです。
Happy Halloweenか黒板五郎かっつう季節のお便りがなんともヤツらしいところです。

が、しかーし!
 
 
DPP_0006_1.JPG
 
えー・・・・・

まぁ、フレメンとメルヘンは似ているので良しとします。

記念にスタジオに飾っておこうかとも思いましたが
痛んだらもったいないので、在りし日の姿をこのHPに残して
本体はみんなで美味しく頂くことにしました。

で、
「あとでみんなで分けようか〜」
『じゃぁなんか作って来ますか?』
「えっ!そんな事できるの!?…って、あ〜出来るんだよね〜」
『はい、せっかくなんで』

そう新人アシ・イーダ君は、なんとこの春調理の専門学校卒。調理師免許ありなのです。
「で…なんで写真?」とか言わない様に。
世の中、まだまだ科学では解明出来ないことだらけなんですよ。
 
というわけで、次回はこのカボチャがどう変身をとげて帰って来るのか乞うご期待。
びしそわーずがなんたら、とか言ってましたが…
果たしてどうなるんでしょうかね。

DPP_0004_1.JPG
 
責任者:イーダ ピチピチの新人くんです。


東川つづき

また来週、とか言ってる間にもはや週末なんだな。

前回更新の 「2009東川フォトフェスタ」の続きをば。
 
 
石川直樹さん
8月3日のブログにも色々書いている通り。。。ファンです、写真の。

直接お目にかかった事が無いので、お人柄は計り知れません。
当然ながら彼が世に出して来た作品に対して反応しております。
 
石川さんについては、写真のみならず、文筆、各種メディアへの露出など
ジャンルを飛び越え幅広〜く活動されているので
ご存知の方も多くいらっしゃるのでは。

なのでその辺、詳しい事は端折ります…失礼。
 
まず会場内、
大小合わせて100数枚のプリントがびっしりと。
入ってすぐのところに、北海道で撮影したものを発見! ちょっと小躍り。
 
写真集を見るとよく分かりますが
北極、富士山、どこかの洞窟、様々な民族の「家」、そこに暮らす人たち
まったくもう…どこまで広大なフィールドなんでしょ。
北海道から南極まで…本当にこの人には国境とか人種の壁とか関係無いんでしょう。
見たいものを見に行って、それを撮りたかったから撮った、という感じがします。

写真がとてもストレートで、良い意味ですごく「普通」なんです。
沢山の写真をじっくり見ていても疲れない、ずっと見ていられるような。
辺境の地のすごい風景もあるのに、力を抜いて楽に眺められる。
 
イマドキ流行の「ふんわり優しい」癒し写真とは全然違うものだし
かといって「この混沌とした世界の表裏を鋭く切り撮って…」というジャーナリズム系では無い。
じゃぁ「熱き冒険者魂」を発揮したサバイバル感満載の・・・とはもっと違う。
「被写体=地球です」っていうほどバリバリのネイチャーフォトでも無い。

 
どれでもない普通の……旅の記録?に近いようなシンプルな写真。
しかし、単に記録写真と言い切れるほどすっきりと整理された写真でもない。
もうちょっと視線がユルくて優しい。
アート性とかメッセージ性とか余計な感情抜きの、普通に見たまま撮った写真

(いや、ファンですからね!)

 
被写体を良く見せるようなモノ主体で撮っていない、
自分の思想を写真に反映させて創り上げてるわけでもない
あくまで自分の目で見たまま撮りましたという雰囲気の写真だな〜と。
だから見ているこちら側も、自分が実際に今その場で見ているかのような自然さで
彼の写真にスッと入って行けるのだろうか。ただ見る事に没頭できる。
 

誤解を恐れずに感想を言ってしまえば
石川直樹さんは、「写真家」でも「冒険家」でも無いのかもなぁ…と。
プロフィールの便宜上はさておき。

(いや本当、ファンですからね!)
 

いえ、ステキな写真をたくさん世に出しているし、
死ぬか生きるかのサバイバルな体験も数知れず、なのでしょうが。

ん〜…旅をする、山に登る事、と写真を撮る事が同等であり、ひとつながりの形であり
旅をしたから写真を撮った、のでも、写真を撮るために旅に出た、のでも無い感じ。
その行動全体で一個の作品、表現なのでは?と思わせる。
何かの光景に出くわして反応する事が仕事。みたいな。

なんというか…こう、もっとアバウトに
職業:ヒト(好奇心旺盛・良く動く)
ぐらいな感じでどうでしょう。

淡々と透明な常温の水、のような写真だなといつも思います。 

(なんかもうすんません、ファンですから本当に!)