ドキュメンタリーって難しいねぇ

浦河町出身のアイヌのエカシ(長老)・浦川治造さんを追った
ドキュメンタリー映画

『カムイと生きる』を観て来ました。

 

以前,仕事絡みで浦河町の古き良き映画館
大黒座さんにて予告編だけ見せていただいた。

この予告編がものっそかっこ良く、ドラマチックで、
スピード感もあって

こりゃぁ、本編をぜったいに観ねばなるまい!と
同行したライターさんと、首を伸ばしつつ待ちわびていた映画だった。

 

なのだが・・・

主人公の治造さんは、とてもキャラが面白く魅力的。

不思議な人柄パワーで、周りの人々をぐお〜っと巻き込みながら
次々と、つねに何か新しい事をやっている人間力のすごいひと。

巻き込まれる人々は、治造さんの人柄や考え方に吸い寄せられ
自主的に集まってくる人達。

 

アイヌのエカシの家系に生まれ、跡継ぎとなった治造さん、
けれど、とうに地元浦河町では暮らしていない。

日本が高度成長期だったころ、地元で会社を立ち上げ
その後紆余曲折あり、一家で関東へ。

現在は土建業で生計を立てながら、
関東のアイヌのリーダーのひとりとして活動している。

 

映像に流れる、治造さんのアイヌとしての生き方、考え方、
神である自然との共存のしかた…ヒトとしての器の大きさ

この人から学ぶべきことはたくさんあるのだろう。

 

うん。とても魅力的な人物だ。。。

なのですよねぇ・・・

 

 

ちいっと辛口な感想になってしまいますが

 

家でのんびりしながらTVで見る,何かのドキュメンタリー番組と
映画館にお金を払ってわざわざ「観に行く」それとは

コチラの期待度が全く違うものです。

 

日常のドキュメンタリーだからいつもいつもドラマチックに 展開するわきゃ無い、
淡々とさらっと過ぎてく部分も当然ある。

けれど、

限られた時間に対して入れ込んだ要素が多く、
そのせいかどれも均等にサラ〜っと、浅く流れて行く印象で…
主軸になってググッと引き込まれる強いポイントがどうも。。。?

「アレもコレも色々たくさん紹介したい」という熱は伝わりましたが。

 

もう少し,的を絞って一番伝えたい部分に比重を置いてくれたら
さらに観る側にジーンと届くドキュメンタリーだったのかも。

 

というのが私と件のライターさんの感想だった。

わたし的には,関東の他のアイヌ民族たちと治造さんの関わりや
全体としての活動(個人の活動はいろいろ紹介されてますが)など
もっと「アイヌとしての治造さん」の深いところを見てみたかったなぁ。

 

 

舞台挨拶に主役の浦川治造さんと
ナレーション担当で,治造さんの甥っ子でもある俳優・宇梶剛士さんが来札。

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写真撮影はOKのようでしたが(宇梶さんのOK有り)、一応お顔はボカシておきます。

 

そうそう、時折出てくる治造さんの30〜40代の頃の写真が
今の宇梶さんと激似!! 同一と言っても過言ではないレベルでした。

がっしり逞しいマッチョで,彫りの深い精悍な顔立ち!

今の治造さんはふっくらと丸く、好々爺〜とした柔和お顔なので
それほど似てないのですが。

父子じゃないですよ? 叔父と甥っ子なんですよ!

DNAって偉大だわ〜

 

このあと、かなりフリーダムな展開となり
会場の皆さんも舞台に上がっての大撮影会になった。