大橋英児さん写真展

現在大通りのコンチネンタルギャラリーにて開催中の
大橋英児さんの写真展を紹介します。

7月25(火)〜17(日)

『大橋英児写真展 Roadside Lights 〜路傍のともしび〜 』

 

会場案内は下記をごらんくださいね。

P0152-1

 

DPP0149

*写真掲載には許可をいただいております。

 

大橋さんは日本各地、あたりまえにどこにでも点在する

「自動販売機のある風景」を撮っておられます。(情景ではない)

 

会場にて少しご本人とお話ができたのですが
「なぜ自動販売機を撮ろうと?」という私のソボクな疑問に
かつてご自身がシルクロードなど、撮影で海外に滞在し 日本に帰って来て
まず目に留まったのが、このどこにでもある自動販売機。

 

大橋さんいわく、日本だけなのだそうです

自動販売機が盗まれる事無く、破壊される事無く
あたりまえに商品やお金の入った状態で、あちこちに存在するのは。

まさしく平和な国(震災問題はありますが)日本を象徴するものだと。

 

DPP0150

今回は北海道編ですが、日本各地のバージョンも見せていただきました。

 

暗い夜道を照らしてくれる光

賑やかな歓楽街でネオンに紛れて

吹雪で閉ざされた視界に灯台のごとく頼もしい光

 

もの言わぬ機械でありながら、時に何と暖かな存在であろうか。

 

しかしただ漠然とそんな感傷キブンに浸って撮っているわけではない。

DPP0151

各写真には番号が添付され、この表と照らし合わせると撮影日・場所がわかる

 

 

日本では昭和30年代をピークに以降、
現在の犯罪数は約半分に減っているのだそうです。

それとは対照的に、今度は自殺者がぐんと増加しているのだとか。

 

以下、大橋さんのお話をざくっと抜粋

自動販売機というコミュニケーションを必要としない機械式の
便利な購買ツールが大きく発展したことで 昔ながらの
「対面販売」というコミュニケーションが減ってしまった。

自販機の増加と自殺者の増加には何かしらの法則・関係性があるのでは。

これらのことを考えると、自販機を撮り続けることで
日本社会の今の姿が見えてくるのではないか…と考えている。

しかし3・11以降、「節電」の名において自販機の必要性に賛否あり
その日本を象徴する文化としての存在が揺らいできている。

このシリーズ制作は現在で4年目、「10年はやるつもり」。

 

と、いうような内容のお話でした。 (細かい言い回し部分はご勘弁を)

また、 これからまだまだ撮り続けて行く中で
上記の日本社会の様々なことも見えて来るのでは、ともおっしゃっていました。

 

んーーーそうなのかぁ・・・

深いなぁ・・・

 

ひとときでしたが写真関連の興味深い話を聞けたり

作家本人から直接作品の話をレクチャーいただけて
なかなか有意義な時間でした。