ロバート・フランクの映画

先日久しぶりに映画館に出向いた。
 

92歳の現役写真家、ロバート・フランクのドキュメンタリー映画
”Don’t Blink”を観るために。
 
 

ロバート・フランク自身が若い時に撮ったアメリカの映像、写真、
波乱に富んだ自身の人生について、現在の彼が言葉を重ねている。
 

インタビュアーとのやり取りから、彼が少々面倒くさい気難し屋であることも
伝わってくる。
 
 

ロバート
 

『人生はつづく、杖をつきながらでも。』
 
 

正直言って、映画そのものは告知ビラに書いてるような
知られざる「感動の」ドキュメンタリー、とは感じなかったけど。。。
場所やカタチやスケール感は違えど、写真という舞台で生きている者の
端くれとして改めてすごい作家だなと。
 
 

私にとっては、失礼ながら…92歳の現在でも
追いたい被写体がある、
世の中に発表したい写真がある、
ってのがもう何よりも注目すべき点なんです。
 
 
モチベーションを維持し続けるそのパワーは
いったいどこから…。
 

彼の場合、若かりし頃から商売としての写真も含め
ず〜〜〜っと写真を撮り続けているわけです。
 

ちょっと言い方は悪いかもしれませんが…
「趣味として」ひたすら楽しんで写真を長く続けてきた人とは
注いできたエネルギーが当然違うわけで、
こんなに何十年も継続し続けられる精神力に対して
本当にリスペクトしています。
 
 

追いたいものが何十年も “あり続ける “って驚異的なこと。
それを捉えるために 杖をついてでも、他者の車に便乗してでも
貪欲に捕らえに行く狩猟型の写真家です。
 
  

彼の代表作『THE AMERICANS』はあまりに有名で
作品としての写真を学ぶ途中で必ず巡り会う、
現代の写真界ではある意味教科書的な位置にある写真集です。
 

スタジオにはどわ〜っと様々な作家の写真集、書籍があるので
私もそれらに刺激を受けて随分写真を撮りましたね。
 

面白いもので、20年前は単純に好みではなかった写真家の作品が
商業カメラマンという職業柄か、今は少し俯瞰から冷静に物事の全体、
本質を捉えるようになり、写真作品に対しても
好き・嫌いだけの若い時には気付けなかった
重要なポイントに気づくようになった気がします。
 
 

ロバート・フランクの写真集も初めはそんな感じから
教科書的に見漁った写真家の一人で、駆け出しの頃は
それほど強く惹かれる作家ではなかった記憶が。
当時の私はあまりに短絡的で彼の作品がなぜ評価されるのか
少しも分析することをせず、脳が停止していたんだと思います(笑
  
 
 

まぁ、、、今も日々精進、進化の途中ですので
いくつになっても学ぶことが多いですね。
最近は若い世代の作家たちの新しい視点、表現手法から
へぇぇ…ほぉぉ〜!っとたくさんの良い刺激を受けています。
 
  
がんばらねば!
 
 

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