カイブログから転載(手抜きじゃないよ)

フレメンが関わっている季刊誌 ホッカイドウマガジン「カイ」の
スタッフ当番ブログにアップした 記事を転載します。

いや、、使い回しとか言わないよーに!
我ながら良いネタだなと思ったのですよ。

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30年ものの古き良き昭和の「電子ミシン」。

持ち主だった祖母が20年ほど前に他界したあと、故障してしまい
そのまま部屋の片隅に置いたままだったこの古いミシンを、ちょっと思うところあり
この夏修理に出して復活させました。ドキドキしましたが修理費たったの¥8,400也!

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古っ!! 今は無きRICCARのMighty号 いかにもガシガシ縫えそうな名前。
今のおしゃれミシンとはだいぶ違いますが、当時はハイテクだったもよう。

「いずれ留美子 の嫁入り道具として持たせるのにしっかりした良いものを…」と、
当時ミシンが高かった時代に、清水ダーイブして購入したそうで…。

待てども待てどもやってこないその日を夢見ながらとうとうMighty号は力尽き。。
さらに、若い頃洋裁セミプロだった母の本格派ミシンも同じ夢を見ながら先に散っていきました。

・・・てへっ☆

 

ミシン屋さんによると、大きな故障は無かったのでまだまだ使えますよ!とのこと。
昔のミシンや家電は中の部品も主に金属で作られているので、今より頑丈なのだとか。

そういえば、春に壊れた35年ものの電子レンジもRICCAR製でした。

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何の知識も無いままに、型紙を買ってきていきなりブラウスを縫います。THE 無謀!

型紙に書いてある縫い方の説明だけでは異次元なのでネットの「洋裁ブログ」を渡り歩き
数々のナゾを解き明かしながらなんとか形になったところで・・・

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なんでそうなった・・・

めずらしく順調に行ったと思ったら最後の最後で落とし穴。ボタンホールがーーっっ!!
テレビ見ながらやっちゃダメよね初心者マークが。

アホだ!アホ過ぎて震えながら作り直しましたよ。。

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ブログ用にスタジオでライティングして撮ろう!と持参したものの…地明かりで手抜き。

紆余曲折ありながらなんとか一着。
裏側はいろいろアレなのでお見せできませんが。
しかしこれ、
衿のサイズがなぜか予定より小さくて脱ぐ時にアゴに引っかかる不思議な代物でして。

おっかしーなー・・・さすが初心者。

頭の小さなジャストサイズのシンデレラにプレゼントしようと思ってたところへ
カイ ライターの森さん登場。 小顔の森さんの元へ旅立っていきました。めでたし!

 

晩年亡くなるまでの数年間、我が家で一緒に暮らしていた母方の祖母は
ハイカラで冗談が好きで考えが柔軟で、とにかく明くて親戚中の人気者でした。

当時高校生だった私とは妙にウマが合い、祖母と孫というよりも
友達のように毎日ガールズトークを繰り広げて暮らしていました。

戦後の混乱の中、戦死した夫の代わりにいくつも仕事を掛け持ちしながら
女手ひとつで私の母ら3人の子供たちを育て上げた肝っ玉母さん。

その仕事のひとつが「和裁師」。
昔の農家の娘だったので学はありませんが、手に職、ということで
和裁の学校だけは通わせてもらえたそうです。なのでれっきとした「プロ」。

病気になるまでは、家の中でも毎日パリッと自分で仕立てた着物を着ている
粋なばあちゃんでした。

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そして調子に乗って2着目! 今度は自宅窓の自然光で手抜き(しかも針金ハンガー)

何度も縫ってはほどき、ほどいては縫いの諸行無常を繰り返しながら完成。

途中でテキトーにごまかさないよう、あえて本物リバティのセレブ生地で勝負!
柄が細かいのは、アラが目立たない作戦です。良く見るといろいろアレですので。

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後ろの衿元と、袖口にもギャザー
このギャザーのバランスが初心者には難しく、次への課題です。

ボタンがなぁ…家にあった有り合わせはやっぱりダメだなー。あとで変えよう。

でも、さすが綿ローン生地の王者リバティ様。
素人仕事でもしなやかなドレープが優雅です。

 

和裁師は注文をいただいて着物を仕立てるのが主ですが、うちのばあちゃんは
他に綿布団や丹前もよく作ってました。綿を何層にも重ねて…今寝てる私の布団もそうです。
布団用の長くて太い針など、色んな和裁道具が我が家にはありました。

稼ぐ必要も無くなり、老眼が進んでからは趣味的に自分のと親戚のものだけをのんびりと。
着物を縫い始めるといつもの楽しいばあちゃんとは打って変わり、背中に緊張感を漂わせ
キリッと職人の顔になって静かに淡々とすべて手縫いで仕上げていました。

そんなばあちゃんは、和裁だけでなく
編み物もかなりの腕前で私が「こんなの編んで!」と書いたイラスト通りに
セーターや手袋を編んでくれました。3日ほどであっという間に!

そして、電子ミシンという高度成長期のハイテクマシーンも巧みに操り
カーテン、クロス、ストーブやトースターのカバー…etc. 家中のあらゆるもののカバーを縫い、
洋服以外のいろんなものをなんでも作ってしまうスーパーばあちゃんでした。

 

私は数年前から、毎冬マフラー、ニット帽、変なセーター、変なカーディガンなど
何かしら編み物をしています。

子供の頃から、野生児のごとく外で遊び回ってた反面、
針仕事も好きでフエルト人形や巾着袋、体操着入れのリュック、変な服など
母や祖母のまねごとでチマチマ製作していました。

一見、女子っぽいようですが…私的にはこれ、男子のプラモデルと同じ感覚なんです。
兄貴とともにハマったガンプラと同じ感覚なんですよ。

一本の糸やペラッとした布が徐々に立体になっていく快感!! 分かります!?

自分で身につけたいから、欲しいからつくるのではなく、
作ること自体がただただ楽しい!! という変態なのです。

今回作ったリバティ ブラウスは生地代もセレブだし、
今後の参考に自分でがんがん着て、着心地や縫製の甘さなど反省点を確認します。

 

いつもは人にあげてしまうのでニット類も試作品以外はほとんど手元に残っていません。
母が試作品の毛糸をほどいて、自分用にオシャレなセーターに編み直して着ています。

その母は、先にも書きましたが若かりし頃洋裁をやっていたので
参観日用に自分の洋服を作って着ていたのを覚えています。私用のデザインがイマイチな服も時々。
そしてレース編みは某・百貨店に納品していたセミプロでした(本職ではないので)。

なので、私のオリジナリティ溢れるなんちゃってテキトー ソーイングは
見るに耐えないらしいです(笑)

 

手仕事のDNAは母子 三代に受け継がれているようですが
私の代になって急速にゆる〜〜〜い感じになっています。

さて、次は何をつくろうか。
ばあちゃんの昭和古ミシン、21世紀になって強引に復活! 第二章がスタートしました。